こうた君のおうち

こうた君のおうち
こうた君のおうち


妹が 生まれることになって
ぼくは あたらしいおうちに
ひっこしてきた

 

ママは大変でしたね
お腹にこうた君の妹さんを抱えながら
お仕事も家事も なんでもしていましたね
こうた君も たくさん心配したよね
でも 楽しかったんでしょう
何もないところから始まった家づくりだったからね
間取りづくりから始まって
設計が進むと 床壁天井の素材や 衛生設備・暖冷房設備
さらに毎日毎日お世話になるキッチンとダイニングテーブル
何と言っても あの大きな三角テーブルが
みんなの希望だったね
あれは 建築家の丸谷さんの手作りだったね
まだ ママの仕事が残っているよね
キッチンの配膳台にタイルを貼ること
こうた君の家のキッチンは 面白い実験をしているよね
IHレンジの排気が床下に吸い込まれて外に出るんだよね


今までのおうちより

なんだか 空気がやさしくて

おなかからでてきた
ちいさな ちいさな 妹も
安心して 眠っている

 

みんなぐっすり
妹さんもたくさん寝てたくさん食べて
あっという間にハイハイして 歩けるようになったね
あまり病気もすることなく 元気に成長したね
こうた君も同じ スクスク育っているよね
ママも パパも育っているかな(笑)
6畳間で家族で寝ていると 吐き出した炭酸ガスが
部屋中に充満して せっかく寝ているのに
体をリフレッシュする酸素が足りなくなって
身体の健康を戻せない 寝足りない
そんなことになってしまうんだよ
ところが この家は
換気扇を回さなくても
壁の中を通り抜けて炭酸ガスが出て⾏ってしまい
新鮮な酸素が外から⼊ってくるようになっているんだ
だから「グッスリ感」があるんだよ
人間にとって一番大切な新鮮な空気
それを 自然にコントロールしている
これは古民家の知恵だよ


まえの おうちだと

あさ さむくて
なかなか おふとんから
出られなかったけど

今のおうちは 雪のあさでも
すぐに おふとんから出られた!

 

こうた君が前に住んでいたのはマンションだったね
窓には結露 ユニットバスにはカビ
夏はジメジメして 冬は逆にカラカラに乾燥
これは日本中のマンションで暮らす人々の悩みなんだ
冬になると皆んな風邪を引きやすくなって困っている
でもこうた君の家は違うよね
窓に結露はなく 夏もカラッとして 冬はいい湿気感がある
そして いつも空気が気持ち良いよね
お友達やお母さんたちがきて
みんな気持ちいいから あっという間に時間が過ぎてしまうね
こうた君もいつもニコニコだよね
人が集まる家って 嬉しいよね
雪の日に 大騒ぎだったね
こうた君も嬉しくて 寝巻きのまま窓を開けて
遊んでいたね
でもなぜか寒くない 本当に不思議な家だね


どんなに そとが さくむても
まどが びしょびしょに ならないのも ふしぎ

 

家の中と 家の外 なんとなく嬉しく見るていられる
窓ガラスに触ると 冷たいけど結露がないので
その冷たさが 気持ちいいよね
こうた君の家のサッシは アルミ製ではなくプラスチック製だよ
カナダで作って 日本で組み立てている
ガラスは日本製 アルミサッシのガラスと違って
空気層が厚いペアガラスを使っている
断熱材はガラスでも樹脂でもなく 北海道のカラマツの木の繊維
日本の山の木を使わないと 山に元気が無くなるんだ
調湿性、防音、断熱性能 すごい力が木の断熱材にはある
家の構造もそうだよ 岩手県の葛巻町の杉をつかっている
そして、家の外側をくるんでいる防水紙も
魔法のような力を持っている
冬には壁の中に湿気を入れないようにして
夏には壁の中に溜まる湿気を出すようになっているんだ
だからカビも生えないし 家が長持ちするんだよ


いつもすぐに おせきが出たり
おはだが かゆくなっちゃう
いとこの まあちゃんが
おとまりに きた時も

ぼくの おうちでは
おせきが 出なくて すごい!って
わらってた

 

そうだね この家の空気は宝物
カビが生えないように いつも空気が静かに動いている
それから 壁の中も空気が静かに通っている
使っている建材も 化学物質は最小限に使っている
こうた君の家の壁は、下地には「バウビオ」という鉱物を圧縮して
固めたボードを使っている 接着剤なしで作ったボードだよ
その上には 建てる時にみんなで塗ったの覚えているでしょう
北海道稚内で取れる珪藻土 いっぱい穴の空いた植物の化石だよ
この穴によって 水蒸気が出入りして調湿できるんだ
室内の空気が汚れても すぐに外に吐き出してくれるんだ
この家では 健康のために
自然のメカニズムが 静かに動いているんだよ
面白いでしょう 見えないことを理解するのが科学の力
その科学の力を使っているから
そのために使うエネルギーは必要ないんだ
本当に エコな 人間と地球に優しい家なんだ


おふろあがりの はだかんぼダンスだって

さむくないから たくさんできる
(ママには おこられるけど)

 

裸になっても寒くない
時間がたっても 体が冷えない
だから裸で遊んでいられるんだよ
何故だかわかるかい
すっごく面白いことが この家では起きているんだ
床も壁も天井も何故か同じ温度
暖房している時は 全てが24℃前後になっている
だから寒くない トイレも お風呂も 押入れも
皆おんなじ温度になっている
昔は床暖房が断熱の悪い寒い家では役立っていた
でも本当は体に良くなかったんだ
足の裏だけ常夏 身体の方は冷えている
これでは身体の調子がおかしくなってしまうんだ
もう床暖房は必要ない これからはこうた君の家のように
輻射で暖冷房するのが一番なんだよ
太陽から地球へと熱が伝わっているのは輻射なんだよ


夏は「ただいま」ってドアをあけると
ひんやりしていて 気持ちいいんだ

 

こうた君の家では 夏は輻射で冷房している
家のドアを開けると 洞窟に⼊った時のように涼しい
これも不思議だね
空気を冷やして その空気をファンで動かして人に吹きかける
それがエアコンのやり方 でもあまり気持ちよくないよね
風が嫌なんだっていう人が多いよね
腰から下が冷えてしまって 困るんだっていう人も多い
そこが一番違うんだ 輻射で冷房していると
空気は動かさなくてもいいんだ 風も音もしないで冷房する
とてもいいでしょう
微風速ができる特別の扇風機があれば さらに快適だよ
冷房まで必要ない時には この扇風機だけでもなんとかなる
湿気の多い夏の空気を冷やすと さらに湿度が高くなる
そうするとカビも生えやすくなってしまうんだ
空気を温めたり冷やしたりしない 輻射冷暖房が
「こうた君の家」のように健康を作るんだよ


まえは あつくなったら すぐクーラー
さむくなったら すぐヒーターを
つけていたのに
このおうちでは でばんがない

やっぱりふしぎ・・・
なんでだろう?

 

こうた君!偉いよ!
不思議に思うことが 一番大切なんだ
不思議に思った人がいたから
空気に重さがあることも 地球が回っていることも
星たちが太陽を中心に地球も含めて回っていることも
知ることができたんだ
ママも パパも同じだよ みんな不思議だなあと思っている
前に住んでいたマンションの暮らしを覚えているかい?
あの時の暮らしと この家での暮らし
どんな風に違うのかもう一度整理してみよう
暮らしを科学すること
そうすれば今まで見えていないことが見えてくる
それが科学なんだ
ニュートンもアインシュタインもエジソンもガリレオも
「何故だろう」から始まったんだ
だからこうた君の「なんでだろう」って大事なんだ


パパにきいてみたら
「このおうちは 呼吸していて
いつでも気持ちよくすごせるお部屋に してくれるんだよ」
と おしえてくれた

呼吸するおうち・・・?
・・・それってやっぱり

まほうみたいだ!!



 

この家は「そらどまの家」って呼ばれているんだ
この家の仕組みを考えたのは 建築家の丸谷さん
丸谷さんの全盛は奥村昭雄芸大名誉教授
その先生は 学校から帰る時に 樹木を見て
「どうしたら木は木になるんだろう」木の形や枝の張り方
それを自分で解析して
コンピューターで木を育ててみたんだって
初めは木にならなかったけど だんだんに木らしくなり
樹種の違いや 年取った木の形になる理由まで
考えついたんだって
丸谷さんも 先生には勝てないけど自分なりに
いつも一生懸命に考えるようになったんだって
今も この「そらどまの家」は進化しているそうだ
丸谷さんの最近の探求は 江戸末期から明治時代に発展した
養蚕農家の⼯夫を調べているんだって 面白いらしいよ
こうた君も 興味を持ったら何でもいいから 探求してみよう


熱い日も寒い日も

ぼくたちを 守ってくれるから
パパも ママも 前よりわらってる

このまほうのおうちが ぼくは大好き!

 

住まいっていいね
家族っていいね
みんなが健康で すくすくと育つ
人間の暮らしが 自然と上手に共生していけるように
自然と仲良くしながら 暮らしていけるように
これからも工夫していきたいよね
こうた君が大人になる頃には
たくさんの高齢者がいて
働き手二人で一人の高齢者を支える時代になる
高齢者がいつまでも元気に働き 社会貢献できるように
するためにも健康が一番
そのために住まいってとても大切なんだ
これからも一生懸命に勉強してね
みんなを助けて挙げてね
「そらどまの家」は 暮らしを科学する家
そんな風に言ってもいいかもしれない

 

目に見えないもう一つのこうた君の家の秘密
最近の日本の夏は ものすごく暑いね
外で遊びたくでも ママに言われるね
外はダメよ
日射病になっちゃうから~ってね

この暑い暑い日射って太陽からくる熱線と
その熱線を受けて暑くなった道路や建物 そして空気に
コウタ君が囲まれているから 日射病になるんだ
ママは外に出るときに 日傘をさすよね
こうた君も 外を歩くときには日陰を探しながら歩くよね
大人たちもそれは一緒だね
日陰に入ると涼しいのは
太陽の熱線が そこには来ないからだね
実は こうた君の家のもうつの秘密があるんだ
それは 家に日傘をさしてしまうってことなんだ
こうた君は そんな大きな日傘を見たことはないよね
お家をすっぽりと覆ってしまう日傘
風が来ても 雨が来ても 問題なくさしていられる日傘
それは アルミ箔でできていて 壁の中に入っているんだ
屋根の中にもあるんだよ
まるで宇宙服なんだ あの宇宙服と同じ原理なんだよ
熱をほとんど跳ね返してしまうんだ
宇宙飛行士もアルミ箔の服を着ていなかったら
暑くなってしまって 生きていられないんだ
普通の家は 夏も冬も厚着をしているだけで
太陽の熱はじわじわと中に入って来ている
こうた君の家の夏は その熱を跳ね返してしまうから涼しい
そして冬は 室内の熱を外に出さないから暖かいんだ

「こうた君のおうち」のお話しは、実際に家を新築した家族の実話を元に作成されました。

設計は、建築家 丸博男
施工は、長年丸谷博男さんの研究会に参加してきた藤島建設
担当は、大嶋洋一部長と・・・・大工ほかの皆さん
これにこうた君とこうた君のパパ、そしてお腹の中のこうた君の妹さん
さらにママのお母様
このメンバーで、家づくりが始ったのでした。
建設地は、子育て世代が新築している埼玉県春日部市です。