調湿のある壁下地については、調湿建材マークをもらっているのは、バウビオだけですね。チヨダウーテのさわやかせっこうボードも、吉野石膏のスカットボードも、調湿建材マークは取れていません。
調湿建材マークを取るには「中湿域」での性能が要求されます。JIS A 1470-1の試験方法が要求されます。これに対応できないときに、「高湿域」での実験値がカタログに掲載しています。JIS A 6909です。仕上げの塗料についても、ほとんどのメーカーは、「高湿域」での実験値を掲載するしかないようです。
相対湿度が90%、という環境は、穴さえあればあらゆる建材は吸湿するという傾向があります。また、90%をこえると急激に吸湿し100%の方向に向かっていくという傾向もあります。これは、スウェーデンの住宅基準で明解に説明されています。また、そのような環境下では、発がん性のある塩ビ樹脂の柔軟剤の湧出、エポキシ樹脂などの接着剤からの有害物質の湧出が激しくなることも証明されています。
以上をしっかりと理解し、建材を評価する知見が重要なのです。
塗装仕上げも、いろいろ見てみましたが、珪藻土を混入しているものが良いようです。大切なことは、そのような構造体に珪藻土を包み込みながら、その製法を殺さない構造です。
その上で見ると、「SK調湿ウォール」が良いように判断できます。また、珪藻土を含んだ塗料は厚みがあり、下地を拾いにくく、ローラーによっての表面の凸凹を作ることができるようです。
測定方法 JIS A 1470-1(2002)調湿建材の吸放湿性試験方法 第1部:吸放湿応答法
試験体 | 吸湿過程(時間) | 放湿過程(時間) | 吸湿量 24時間値 (g/㎡) |
放湿量 24時間値 (g/㎡) |
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材料名 | 厚み (mm) |
密度 (g/㎠) |
0 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 24 | 26 | 28 | 30 | 32 | 34 | 48 | ||
吸放湿量(g/㎠) | |||||||||||||||||
土壁 | 20 | 1.7 | 0 | 28 | 44 | 56 | 65 | 74 | 104 | 78 | 67 | 56 | 50 | 45 | 24 | 104 | 81 |
ヒューミライト | 12 | 0.67 | 0 | 20 | 29 | 37 | 42 | 47 | 68 | 49 | 42 | 36 | 33 | 31 | 22 | 68 | 46 |
タイカライト | 15 | 0.43 | 0 | 27 | 37 | 42 | 46 | 48 | 54 | 25 | 19 | 17 | 16 | 16 | 16 | 54 | 38 |
石膏ボード | 12.5 | 0.67 | 0 | 3 | 7 | 9 | 11 | 12 | 18 | 13 | 11 | 9 | 8 | 7 | 8 | 18 | 15 |
バウビオT | 15 | 0.45 | タイカライトとほぼ同じ | ||||||||||||||
バウビオT+珪藻土 | ヒューミライトとほぼ同じ |