断熱したはずなのに夏、熱くなり過ぎる

エコハウスのメリット 断熱したはずなのに夏、熱くなり過ぎる
断熱したはずなのに夏、熱くなり過ぎる

断熱したはずなのに夏、熱くなり過ぎる

 現代の住宅によく見られる問題点を上げておきましょう。それは、夏に室内が暑くなり過ぎる現象です。
 住宅で使われているエネルギーの中で、暖房用は4分の1程度の割合を占めています(図5)。住宅の断熱・気密性能は、この暖房用エネルギーを減らす上で大きな働きをします。そして、本来なら、夏は外の暑さを室内に入れない働きをするので、冷房の効きもよくなるはずです。しかし、夏、天気のよい日には室内が暑くなり過ぎ、エアコンをフル稼働させなければならない家が少なくありません。
 これは、住宅のつくり手が、断熱・気密性能が、屋根・壁・床などの住宅の外皮を通して伝わる熱を減らす働きをしていること、しかし、窓などから直接入る太陽の直射光の熱は防いでいないこと、また、一度室内に侵入した熱の逃げ道がないと室内を高温にしてしまうことを、きちんと理解していないからなのです。
 直射光の熱を防ぐには、断熱・気密に加えて、遮熱性能を付加する必要があります。現代の住宅では、遮熱性能が見落とされていることが多いのです

図5 家庭でのエネルギー消費

グラフは全国平均の割合( 資源エネルギー庁「エネルギー白書2011」より)。
地域によって暖冷房のエネルギーの割合は異なるが、沖縄などを除けば、暖房用のエネルギー消費は冷房用よりもずっと大きい傾向に変わりはない。

図6 遮熱を考えないと夏の暑さを防げない

屋根に直射する太陽光は、反射されないと熱に変わり、屋根材を高温にする。断熱材を施していても、ある程度の熱は室内に伝わる。

窓からの直射光は、室内で熱に変わり室温を上げる。室内の熱は断熱によって外に出ていかない。

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